去年の年末 |

2015.02.21

ymd012

 

ご縁があって、ビームス fennica のディレクターである Terry Ellis さん、北村恵子さんと福岡でご一緒させて頂く機会がありました。お二人の活動は以前から知っていて、自分も影響を受けた一人だったので、非常に濃密で刺激的な時間でした。その日たまたま、いつも愛用している fennica オリジナルのチノパンツを履いてたんですが、そのあまりのボロボロ具合を見て、Ellis さんが興奮気味に「こんなに履きこんでくれてうれしいよ。これ、原宿のベルベルジンで売れるよ(笑)」とおっしゃってきて。挙げ句の果てには「同じ新品のパンツを送るから、君のを譲ってくれないか?」という信じられない提案まで。5年ぐらい履いてたものだったんですが、ディスプレイの現場でもガンガン履いてたので、破れ、擦れ、ペンキ、酷い状態で、正直みすぼらしいからもう買い替えようか…と思っていたくらいでした。こんな、わらしべ長者的なラッキーがあっていいのかと戸惑いながらも、僕にとっては忘れられない出来事になりました。

その日は、Ellis さんと色々なお話ができて。スニーカーのこと、日本の工芸のこと、お二人が BEAMS London にいた頃のこと。中でも一番印象的だった言葉は Ellis さんの「僕らはデザイナーじゃなくてバイヤーだからね」という一言でした。デザインを生業としている者として考えさせられる言葉です。

 

写真は、Ellis さんに送らせて頂いた履きつぶしたチノパンツ。ベルトループ切れる寸前です。