ヴェネチア建築ビエンナーレ |

2023.08.05

5月下旬から始まったビエンナーレもあっと間に2ヶ月半経とうとしている。昨年の6月、招聘のメールに二人して目を丸くしていたのが遠い昔のことのようでもあるし、そこからあっという間だったような気もする。いまいち現実味が薄いのは、やはり現地へ足を運んでいないからなのかも。ただ、渡航することよりも、日本でもっと大切なことを優先できたのは幸いだった。海外での展示自体が初めてにもかかわらず渡航せず、遠隔で設営のやりとりを根気よく(お互い)続けること約半年…SNSでも書いたが、周囲のサポートが無ければ形にできなかったことは間違いない。また、主催ECCのキュレーター(メンバーのほとんどが女性!)が、僕らの仕事に目を留めてくれたからこそ恵まれた機会でもある。日本からの出展者リストを見るだけでも、大御所建築家の名前がちらほら、Designカテゴリの枠は僕らのみで、あとはすべて設計事務所という場違い感は否めないのだが(汗)。かねてからすっげ〜と言いながらフォローしているノルウェー・オスロのココとかも出展しているのも光栄で、出展作品見てまたうぇ〜と唸りっぱなし。ECCには、無名な僕らにこの素晴らしい機会を与えてくれことに感謝しかない。
今回、時間的にも金銭的にも(僕らにしては)結構な「投資」をした訳だが、果たしてこれがどういう結果に繋がるのか。そもそも何をもって「結果」なのかも正直わからなくなってきてて。むしろ「過程」の連続が人生そのもののような気さえする。たんぽぽの綿毛はどこへ飛んでゆき、いつ誰の元へ落ちるのかわからない。落ちた綿毛の種がまた、次の何かに繋がっていくような仕事がしたい。

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Photo by Clelia Cadamuro