2020年9月12日 |

2020.10.12

時間が経ってしまったが、ひと月前の2020年9月12日、テレンス・コンランが逝去した。短い期間だったけれど、彼が生み出した店に籍を置いていた人間として、やはり多大な影響を受けていたなぁとあらためて感じてる。VMDとして勤めている頃、イギリス本国のディスプレイの生写真を綴ったファイルを食い入るように見ては、考え、盗み、実践し(たまに怒られ)、「ものの見方」を養わせてもらった。

デザイナーが領域に囚われず包括的な視点を持つこと。半世紀以上前から今まで、一貫してそれを実践してきたことにはあらためて驚きだ。ディスプレイだけではなくオリジナルプロダクトにも彼の哲学が、血が、通っていた。彼らが手がけるプロダクトはいつだって王道。素材の魅力を生かした骨太なデザインが多かったし、何より楽しい空気が滲み出ていた。それがイギリスという国の偉大さなのかどうかは僕は知らない。ただ、テレンス・コンランが沢山のデザインの種を世界中に蒔いてくれたことは、多くの追悼の声を聞けばわかる。そして彼は、種が未来をつくることを意識していたんだと思う。

R.I.P. Sir Terence Conran

最近よく |

2020.10.03

そう感じる機会の多い、三大(私的)意味無いこと。

 

せっかちであること
説得すること
大人になること

 

これらと如何に無縁でいられるかが、よい仕事をする秘訣な気がしてる。
できるかな〜

雑感 |

2020.03.13

先日、なんとなく点けつけてたテレビの音楽番組で、世界の YAZAWA 御大のインタビューが。内容としては、音楽業界の「定額聞き放題」について氏の意見を求めるもので、矢沢節炸裂でこんな感じの内容を話していた。
 
“サブスクは世界的な流れであって誰も止められない。それは音楽に限らず他の分野でも同じようなことが起こってる。ヨダレが出るくらい欲しいと思わせないと価値がない。どうぞどうぞって垂れ流すように音楽をばらまいてきた結果、音楽の(市場)価値が下がってしまった。価値を取り戻すことが大事。音楽やライブは不滅”。(かなり意訳)
 
いやーホントそうだよなぁ、と膝を打った。僕らが関わるリテールの世界も、加速度的に状況が変化している。言葉はアレだが「ヨダレが出るくらい欲しい」と思わせられるものをつくれないと。「価値」をダイレクトに届ける術を持たないと。立場は違えど、メーカーもデザイナーも作家もアーティストも、立たされている岐路は同じだろう。これまでの商慣習やなんとなくのアイデアでは通用しない“本物の”資本主義がもうすぐそこまできてる気がする。そんな時代に吹くのは、果たして僕らにとって追い風なのか向かい風なのか。そもそも、元からコネも無けりゃシホンも無いんだから、失うものも無い。ツールの民主化は進む一方だからこそ、僕らみたいなのが風穴を空けるチャンスも転がってるはず。現実的な楽観主義でいこう。

2020 |

2020.01.05

無事、寝正月という任務も完遂したので、徐々に調子を上げていきたいところ。前年からのやるべき宿題も残っているし、新たな山も見えている。予定調和でなくて転がってくのを楽しむのが自分らのスタイルなので、今年もそんな感じで。お付き合いのほど、よろしくお願いします。

 

年末のごあいさつ |

2019.12.31

今年最後の更新です。今年はなんといってもやはり子供が産まれたのが大きくて、生活も変わりました。仕事も新たな出会いや試みもあり、来年に繋がる一年になったのではーと思ってます。年末には有難く嬉しいご依頼もありました。ますます来年が楽しみです。お世話になった皆さま、今年もありがとうございました。来年も家族総出でがんばります!

手紙 |

2019.12.03

今年ももう残り1ヶ月。このところ、年内に片付けておきたい仕事や家のことを書いた TO DO リストとにらめっこする日々です。毎日が慌ただしく過ぎてますが、一日一日、子供の成長を見るのが楽しいです。先日仕事で嬉しい出来事もあったので書き残しておこうと思います。初めてのお取引だったオーストラリアのプランツショップの方が、納品早々、SNS に商品の感想を書いてアップしてくれてました。その一部を抜粋します。写真もそのときのもの(植え込む間もなく興奮気味に投稿してくれたようで)。

 

Two things won me over (besides the obvious beauty of these products). The first, when I read, “We love plants. Therefore we are not interested in pots without holes”. And “Everything we do is for plants”.

 

商品に添えたメッセージ(コンセプト)がこんなにダイレクトに響いていることに感激しました。この晩は二人で小宴でしたね(缶ビール)。言葉にしてくれたのは相方なんですが、メッセージの源はクライアントである井澤製陶の二人です。矛盾するような物言いですが、ぼくらにとっては商品自体がノンバーバルな手紙のようなもので、プロダクトがメッセージを体現できるよう、そのハードルはいつも自分たちに課すようにしてます。メールや電話のような感じではなく、やっぱり手紙みたいな感じですね。時間をかけて届いて、手にとって、あとからじわーっとくる、みたいな。それがちゃんと届いたとき、受け取った人からもらうメールや SNS 上の感想は、まるで返信の手紙のようで嬉しいものです。クライアントと一緒にそれを噛み締められるなんて。。だからこの仕事やめられないんです。

京都その2 |

2019.11.08




 

引き続き京都です。二部構成にしておきながら後半はほぼ写真のみです。。せっかくなんでベタにお寺とかも行ってきました。最後のお蕎麦屋さんはヒットでした。「キーシマ」というミニマルなかけ蕎麦が名物らしく、沁みました。。次は家族でゆっくり行きたいですね〜

京都その1 |

2019.11.05

すこし前になりますが日帰りで京都に行ってきました。20年続いたお店が10月16日をもって営業終了という efish に行くため。目的はその一つでした。

 




 

ずっと行きたいと思いながら、初めての訪問が最後になってしまいました。。月並みな言葉だと “居心地がいい” になってしまうのだけど、居る人に緊張を強いないやさしい空間でありながら、しっかりとした美意識が流れていました。2枚目の写真、どこにもピン合ってないんだけど(汗)、ぼくの感覚的にはまさにこんな空気だったと思います。いつか読んだ本のインタヴューの中で、オーナーの西堀さんがこんな感じのことを話してました。『農業をしながらデザインをしていくという考え方だったんです。食べていくものを自分でつくる。好きなデザインは決して無理をしない。この農業こそが私にとっての efish(カフェ)でした』(うろ覚えで正確ではないです)。そのときからずっと「自分にとっての農業はなんだろう」という問いが頭の中にぶら下がっていた気がします。それは多角的に事業展開してーみたいな話でも、ライスワークとライフワークといった二択の話でもなく。一本の路の上にあるもので、という話です。うちも二人で本格的に取り組み始めて暫くが経ちました。クライアントと一緒に模索していく中で、自分たちにとっての“農業”が何なのか、すこーしだけ見えてきた気がしてます。もっとも、これだ!と言える答えなんてあるのかわからないんだけど。
初めて行ったぼくがいうのもヘンですが、20年間おつかれさまでした。

掲載情報。など |

2019.10.05

めずらしく掲載情報です。現在発売中の &Premium No.71「つくりのいいもの、との出会い」 にて、DaiichiRubber(ダイイチラバー)の RAKA(ラカ)を見開き4Pに渡って掲載いただいてます。クライアントである Less の浜辺さんの人脈、営業力あってこそなんですが、企画したこちらの想像を越える広がりが生まれてきて、さらに今後が楽しみな商品です。浜辺さん、ご紹介ありがとうございました。うちも早く実績掲載用の撮影しないとな。。
9月はストッキストにも初めて自分たちの名義で出展して、告知もままならないまま(ギリ、インスタでは告知しましたが)、帰ってきて振り返りくらいはブログでちゃんと、、と思いつつバタバタと時間が過ぎ、、はや10月。このブログを振り返ると2018年は7投稿。2019年はこれが3投稿目、、こんな調子で「バタバタしてて〜」とか言ってるから更新が少なくなるんだな。と妙な納得をしております。年内もう少し更新されるはずです。多分。