雑感 |

2021.05.08

昔、テレビの歌番組かなにかで玉置浩二が「人のために曲をつくるのは簡単/自分のための曲をつくるほうがずっと難しい」みたいなことを言ってた(かなり乱暴なうろ覚え)。本当にそうなんだと思う。人のためによいものをつくるのも、決して常人には簡単ではないんだろうけど。

掲載情報 |

2021.03.31

ELLE DECOR no.169 2021年4月号に岸本挽物の NEWTONS を掲載いただいてます。「ローカル発!最旬デザイン案内」という特集の中の「日本各地の産地コラボアイテム9選」というコーナー。同じ号の数ページ違いには大学の友人であるニタの設計担当した住宅も。居場所は違えど、社会に出てからもがいていたのをお互い知ってるだけに、こうして同じ雑誌に掲載されるというのもなんだか感慨深いものがあるなと。。ご紹介いただいたスタイリストの中田さま、エル・デコ編集部の滝口さま、どうもありがとうございました。

 

こちらから購入も可能になりました。
https://studioyo.thebase.in/items/40900630

 

雑感 |

2021.02.27

最近、娘は抱っこでなくても、横になって眠りにつけるようになってきた。日々成長を感じる。寝付くまで添い寝して、9割方自分もいっしょに寝落ちる。。深夜から仕事のようなことをいそいそとやりながら、朝を迎えることも少なくない。小さな音でラジオのようにテレビを垂れ流すのだが、時間が時間なだけに選択肢もなくなんとなくNHKにしていることが多い。その日も午前5時前だったと思う。いつもお堅いオジサンが出演しているイメージの「視点・論点」に、柔らかい語り口の女性がいた。その内容がとにかく自分が普段ひっかかっていることとぴったりと重なっていて思わず画面を携帯でバシャバシャと撮った。東工大で教鞭をとられている方で伊藤亜紗さんという人だった。流石NHK、内容はほとんどこちらにアーカイヴされているよう。「信頼と安心」についての考え方もすごく腑に落ちた。このトレードオフは意外と見落とされがちで、みんな安心するためにできるだけ余白を潰していってる(無意識)ような実感がある。思うような結果が出なかったときのこと、責任の所在、危険、あらゆるリスクを無くして安心を最優先するがために余白(信頼)がなくなっていくのは息苦しい。それこそ行きつく先は人間じゃなくてもいい仕事なのでは?とも思う。余白でしか泳げないような存在には、なるほど生きづらい訳だと大いに納得(汗)。ただ、自分たちの中で収まるだけの予定調和な仕事ほど詰まらなく虚しいものはないとも思う。だから人といっしょに何かをつくるのはたのしい。

明け方の興奮を相方に伝えると、今度は相方が伊藤亜紗さんの著書にどっぷりはまり中。

 

視点・論点 解説アーカイブス
https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/443072.html

グッバイ2020 |

2020.12.30

2020年も今日で最後。世界的な転換期となった一年だったわけだが、幸い僕らはなんとかやってる。二人で一緒にやるようになって3〜4年くらい?経つだろうか。頭ではわかっているつもりだったけど、自分たちに合っていること合っていないことが意外に理解できていなかったのかもなとも思う。そういった意味でも、来年はやることをさらに絞るつもり。限られた自分たちの資源を、価値あることだけに注ぎたい。そして信頼する人たちと一緒にもがきたいと思う。そういう生き方しかできないからしょうがない。。(たぶん生きづらい方)。あ、あと家族との時間もさらに増やすつもり。2020年 お世話になったみなさま、ありがとうございました。

やらないこと |

2020.12.13

近頃よく思うのが「やらないこと」の大切さだ。ほとんどの人が「やること」に目が向いているけど、やることを数え出すと止め処なく出てくるものだと思う。「やらないこと」を突き詰めると、数少ない「やるべきこと」が浮かび上がってくる。コンセプトが研ぎ澄まされていく。そういうものはゆっくりとでも確実に伝わる。「やらないこと」は「やるべきことをやった上で、待つ」とも言い換えられる。この「待つ」もなかなかどうして難しい。先の見えないこの時代、不安や焦りは誰にでもある。

メニューは焼餃子、水餃子、手羽先のみ(どれも最高)の博多祇園の「旭軒」が堪らなく格好良い理由は、腹が決まっているからこそ生まれる、細やかであたたかい接客なのだと思う。そこに無粋なものは何ひとつ無い。

2020年9月12日 |

2020.10.12

時間が経ってしまったが、ひと月前の2020年9月12日、テレンス・コンランが逝去した。短い期間だったけれど、彼が生み出した店に籍を置いていた人間として、やはり多大な影響を受けていたなぁとあらためて感じてる。VMDとして勤めている頃、イギリス本国のディスプレイの生写真を綴ったファイルを食い入るように見ては、考え、盗み、実践し(たまに怒られ)、「ものの見方」を養わせてもらった。

デザイナーが領域に囚われず包括的な視点を持つこと。半世紀以上前から今まで、一貫してそれを実践してきたことにはあらためて驚きだ。ディスプレイだけではなくオリジナルプロダクトにも彼の哲学が、血が、通っていた。彼らが手がけるプロダクトはいつだって王道。素材の魅力を生かした骨太なデザインが多かったし、何より楽しい空気が滲み出ていた。それがイギリスという国の偉大さなのかどうかは僕は知らない。ただ、テレンス・コンランが沢山のデザインの種を世界中に蒔いてくれたことは、多くの追悼の声を聞けばわかる。そして彼は、種が未来をつくることを意識していたんだと思う。

R.I.P. Sir Terence Conran

最近よく |

2020.10.03

そう感じる機会の多い、三大(私的)意味無いこと。

 

せっかちであること
説得すること
大人になること

 

これらと如何に無縁でいられるかが、よい仕事をする秘訣な気がしてる。
できるかな〜

雑感 |

2020.03.13

先日、なんとなく点けつけてたテレビの音楽番組で、世界の YAZAWA 御大のインタビューが。内容としては、音楽業界の「定額聞き放題」について氏の意見を求めるもので、矢沢節炸裂でこんな感じの内容を話していた。
 
“サブスクは世界的な流れであって誰も止められない。それは音楽に限らず他の分野でも同じようなことが起こってる。ヨダレが出るくらい欲しいと思わせないと価値がない。どうぞどうぞって垂れ流すように音楽をばらまいてきた結果、音楽の(市場)価値が下がってしまった。価値を取り戻すことが大事。音楽やライブは不滅”。(かなり意訳)
 
いやーホントそうだよなぁ、と膝を打った。僕らが関わるリテールの世界も、加速度的に状況が変化している。言葉はアレだが「ヨダレが出るくらい欲しい」と思わせられるものをつくれないと。「価値」をダイレクトに届ける術を持たないと。立場は違えど、メーカーもデザイナーも作家もアーティストも、立たされている岐路は同じだろう。これまでの商慣習やなんとなくのアイデアでは通用しない“本物の”資本主義がもうすぐそこまできてる気がする。そんな時代に吹くのは、果たして僕らにとって追い風なのか向かい風なのか。そもそも、元からコネも無けりゃシホンも無いんだから、失うものも無い。ツールの民主化は進む一方だからこそ、僕らみたいなのが風穴を空けるチャンスも転がってるはず。現実的な楽観主義でいこう。

2020 |

2020.01.05

無事、寝正月という任務も完遂したので、徐々に調子を上げていきたいところ。前年からのやるべき宿題も残っているし、新たな山も見えている。予定調和でなくて転がってくのを楽しむのが自分らのスタイルなので、今年もそんな感じで。お付き合いのほど、よろしくお願いします。